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いろんなゲームの面白さを「英雄島」だけで楽しめる


Blizzard Entertainmentという北米のゲームメーカーが,2002年に発売した「Warcraft III」というリアルタイム?ストラテジー(戦略ゲーム)をご存じだろうか。
 世界中で数多くのプレイヤーに支持された本作には,数多くの“Mod”が存在する。簡単に説明すると,Modとはプレイヤーがオリジナルのゲームに独自の改造を加えて公開したもの。出来の良いModの中には,オリジナルのゲーム並の高い評価を得るものもある。
 Warcraft IIIで制作されたModのなかでも,とくに好評を博し,世界中で大ヒットを記録したものが,「Defense of the Ancients(ディフェンス?オブ?ジ?エンシェンツ)」,通称“DotA”というModである。
 DotAは,メーカーが作ったオフィシャルなゲームではないにもかかわらず,Warcraft IIIの世界大会の正式種目になってしまうほど大流行した。

Warcraft IIIは,たくさんのキャラクターを同時に操作して遊ぶ戦略ゲームだが,DotAでプレイヤーが操作するのは1体の“ヒーローユニット”のみ。そしてCPUが操作する兵士が,次々と敵陣に攻めあがっていくのをサポートする形で,ゲームに関わっていく。そして,うまく兵士をサポートして,敵陣の破壊に成功すると勝利となる。
 さらにDotAでは,ゲームプレイ中に戦うことでポイントを溜められ,それを使ってアイテムを買い,ヒーローユニットをパワーアップさせていくことも重要になっている。
 いかにしてポイントを溜め,どうやってアイテムを揃えていくかも,勝敗を決める重要な要素だ。

 世の中に革新的なゲームが登場してきたとき,ゲームに対する感度の高いアンテナを持っているゲーム開発者は,当然それをプレイする。
 そしてそれを自分も「面白い!」と思えば,その面白さのエッセンスを自分の作るゲームにも生かせないだろうかと考える。もちろん,元の作品に対するリスペクト(尊敬)は保ちつつ,だ。
 DotAの持っていた新しさや面白さも,多くのゲーム開発者に影響を与えた。そのように影響を受けた人間の一人が,Gas Powered Gamesのクリス?テイラー(Chris Taylor)氏だ。
 テイラー氏は,日本でも発売されて人気となった「ダンジョンシージ」を手がけたゲーム開発者。彼はDotAにインスパイアされて,2009年に「Demigod」という作品を作り上げた。このように,ほかの人の作品から影響を受けて,それを自分の次の作品に反映させるということは,別に悪いことではなく,クリエイティブの現場ではよくあることだ。
 日本で非常に人気のある国産のRPGも,実はそれよりも先にリリースされたアメリカの作品に大きな影響を受けているといったケースも,決して珍しくない。“革新”は,そうやって形を変えながら後世に受け継がれていくものである。

 そして英雄島も,DotA(あるいはWarcraft III)から大きな影響を受けている作品のように見える。
 とくに聖地略奪戦のルールと面白さは,まさにDotAのエッセンスを引き継いだものになっている。世界中のトップゲーマーと世界的ゲームクリエイターを「これは凄い!」とビックリさせてしまうほどの面白さ。それが英雄島でも楽しめるのだ。

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