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2012年の「マビノギ英雄伝 rmt」は新キャラ「カロック」「カイ」を実装


オンラインアクションRPG「マビノギ英雄伝 rmt」にて,2012年2月22日にアップデートが行われ,4人目のプレイアブルキャラクター「カロック」が実装される。このアップデートに先駆けて,韓国の開発チームが来日していたので,カロックの魅力や今後の展開について聞いてみた。今回インタビューに応じてくれたのは,以下の4名だ。


•マビノギ英雄伝 日本 LIVE Manager キム・ソンアン氏
•マビノギ英雄伝 LIVE2チーム 企画パート長 イ・キュドン氏
マビノギ英雄伝 rmt 日本 Project Manager/ローカライゼーション2チーム長 イ・ミギョン氏
•ゲーム運用チーム 杉本誉幸氏


新キャラクター「カロック」は“想像を超えるタフさ”を表現

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。杉本さんには以前お話をいただく機会があったのですが,開発チームの皆さんにお会いするのは初めてですね。皆さんが,マビノギ英雄伝の開発でどんな役割を担っているのか教えてください。

キム・ソンアン氏:
 私はマビノギ英雄伝の海外担当で,日本展開の責任者を務めています。

イ・キュドン氏:
 私は企画全般を手がけています。主にゲームデザインと,日本版ローカライズの担当です。

イ・ミギョン氏:
 日本版のプロジェクトマネージャーを務めています。

4Gamer:
 お三方とも,マビノギ英雄伝の日本展開における要というわけですね。
 今回いよいよ,日本のマビノギ英雄伝にも4人目のキャラクターであるカロックが登場します。まずは彼がどういったキャラクターなのか教えてください。

 
杉本誉幸氏(以下,杉本氏):
 カロックは,投げ技やプロレスっぽい技,モンスターの攻撃をキャッチする技など,これまでにないアクションが特徴の近接攻撃型ファイターです。ビジュアル的には,従来の線の細いイメージのキャラクターとは異なり,筋骨隆々としたデザインになっています。

4Gamer:
 マッチョなデザインなので,なんとなく北米で人気を集めていそうですね。

杉本氏:
 ええ,北米ではとくに人気が高いです。北米での実装時には町中がカロックだらけになってしまったほどで(笑)。

4Gamer:
 カロックの企画・開発にあたって,どういった点に留意されましたか?

イ・キュドン氏:
 世界のどの国でも納得してもらえるような,大きく力強い男性的な魅力を追求しました。スキル各種も,敵の攻撃をキャッチする「クラッシュ」などで,“想像を超えるタフさ”を表現できるように気をつけています。

キム・ソンアン氏:
 戦い方も非常にアグレッシブで,例えばタイミングよくキーを押すとダメージを軽減できる「衝撃吸収」スキルを使って,攻撃しながらの防御が可能なのも特徴ですね。

杉本氏:
 日本のマビノギ英雄伝では,コンテンツが早く,やることがなくなってしまったというプレイヤーも増えているようです。今回追加されるカロックは,これまでとはまったく違う,新しい戦闘スタイルのキャラクターなので,ぜひ隅々まで楽しんでみてください。
 カロックはクラッシュスキルを使うと,敵の攻撃を受け止めて仲間が回復する時間を稼いだり,あるいは連携して攻撃したりといったこともできるので,普段はソロでプレイしている方も,パーティを組んで高難度ミッションを攻略する楽しさを味わっていただきたいです。


2012年夏以降,新たな展開が

4Gamer:
 ところで,日本でのサービス開始からは2か月以上が経過しましたが,反響や手応えはどうですか?

キム・ソンアン氏:
 北米や韓国と比べると,日本はコアプレイヤーが多い印象です。例えば北米では,「難しい」と言われることが多いのですが,日本のプレイヤーからそういった声はほとんどありません。

4Gamer:
 最近ではアクション性を重視するオンラインゲームも増えていますし,その点で慣れみたいなものがあるのかもしれませんね。

キム・ソンアン氏:
 日本のオンラインゲームプレイヤーは,非常に適応力が高いというイメージを持っていたので,ある程度は予想していました。実際にフィードバックをもらうと,やはり国によって傾向は違っていますね。

4Gamer:
 さきほど,北米ではカロックが人気とのことでしたが,国によって人気キャラクターにも違いがあったりはするんですか?

イ・ミギョン氏:
 実は,各国共通で1番人気はイヴィなんです。イヴィを実装したとたん,多くのプレイヤーがイヴィを使うようになりました。

4Gamer:
 やはりビジュアル面での人気でしょうか。

イ・キュドン氏:
 それもありますが,キャラクターの性能的な理由が大きいのです。イヴィは遠距離攻撃が強力で,ほかのキャラクターよりも比較的簡単にプレイできるので。


4Gamer:
 日本ではそうでもないですが,海外では,プレイヤー自身とゲーム内キャラの性別が異なることに抵抗が強い国もあると聞いたことがります。マビノギ英雄伝では,そういった話はないのでしょうか。

キム・ソンアン氏:
 そういった話は,とくに北米で多いと私も聞いたことはありますが,マビノギ英雄伝ではあまり聞きません。性別と職業が固定化されているので,男性でも職業ありきでイヴィを使うのでしょう。

4Gamer:
 性能優先ということなんでしょうか。そうなると,イヴィの男性バージョンを実装して欲しいという要望が生まれそうですね。

キム・ソンアン氏:
 仮に男性版イヴィを実装したら,そちらを使う男性プレイヤーが多くなるかもしれません。

イ・キュドン氏:
 ただ,意外と北米からはそういった要望が寄せられておらず,むしろ韓国で,女性版リシタを望む声がたくさん挙がっています。

4Gamer:
 なるほど,それも分かる気がします。現状では,スピードタイプのキャラクターは男性しかいませんからね。開発チームとしては,そういった要望に応える予定はあるのでしょうか。

キム・ソンアン氏:
 今のところはありません。というより,現在,開発チームは韓国で夏に実施する予定の大型アップデートに全力でリソースを割いているんですよ。

4Gamer:
 あれ,さらっと大きな話が出ましたね。夏のアップデートの内容については,現時点でお話いただけることはありますか?

キム・ソンアン氏:
 まだ確定していない検討中の要素が多くて,ちょっとお話できないんですよ。一つ言えるのは,これまでとはまったく異なるストーリー展開になる,ということでしょうか。

4Gamer:
 マビノギ英雄伝の場合,新キャラクターが登場するのかどうか,という点が大きなポイントになるかと思います。韓国では,5人目の「カイ」が実装されていますが,夏のアップデートで6人目のキャラクターは登場するんですか?

イ・キュドン氏:
 今のところ,6人目は考えていません。というのも,マビノギ英雄伝で企画当初から予定されていたキャラクターは,リシタ,フィオナ,イヴィ,カロック,カイの5人なんですよ。
 なので,その先はこれからの展開次第,ということになります。そして現在は,当初の予定にはなかった展開を企画・開発しているところなんです。


4Gamer:
 ちなみに,日本でその新しい展開はいつ頃見られそうですか?

 
杉本氏:
 まずは5人目のカイが夏頃に実装される予定です。そして韓国で夏に実装される新展開のアップデートは,日本では2012年秋~年末になるかと思います。
 それと,日本のプレイヤーの皆さんからは,キャラクター性能のバランスについて意見を多くいただいていますが,その部分の調整については,カイ実装後あたりで大きく手を入れる予定になっています。そちらも楽しみにしていてください。

4Gamer:
 分かりました。
 そろそろお時間が迫ってきましたが,せっかくなので,余談気味になりますけど一つ教えてください。個人的にマビノギ英雄伝をプレイして驚いたのが,鎧の意匠はもちろん,下着(インナーアーマー)や体毛など「どうしてこんなところまで?」といった部分が細かく作り込まれていることです。そのこだわりと言いますか,そこまでやるモチベーションは,どこから生まれているんですか?

キム・ソンアン氏:
 そこは単純な理由で,マビノギ英雄伝はリアルなグラフィックスが特徴のタイトルなので,そういった装飾部分もリアルにしたいだけです。とくにデザインチームは,最高のビジュアルのオンラインゲームを目指して制作に臨んでいるので,細かい部分や見えない部分,つまり下着や体毛もリアルに作っているんです。

4Gamer:
 とにかくリアルにしたい,ということですか。下着の作り込みを見ていると,「もしやデザインチームの趣味でここまでやっているのでは?」などと,思ってしまったり……。


キム・ソンアン氏:
 ははは,そういうわけではありません(笑)。

イ・キュドン氏:
 オンラインゲームは,コンシューマゲームと比較すると,どうしてもビジュアルのクオリティが低くなってしまいがちですよね。ただ,我々はあえてその壁に挑戦して,オンラインゲームでコンシューマゲーム以上の表現をしてみたいのです。

 

 

4Gamer:
 職人気質な部分から,あの作り込みは生まれていたのですね。なるほど。
 それでは最後に,日本のマビノギ英雄伝プレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

キム・ソンアン氏:
 いつもプレイしてくださっている皆様には,大変感謝しています。カロックでもぜひ,プレイしてみてください。

イ・キュドン氏:
 日本でカロックがどう受け止められるのか,非常に楽しみです。今後も,日本でのサービスが円滑に進むよう努力していきます。

イ・ミギョン氏:
 カロックは,これまでのマビノギ英雄伝のキャラクターとは異なる魅力を感じられると思います。今後もより良いコンテンツとサービスの提供を心がけていきますので,よろしくお願いします。

杉本氏:
 2012年はカロックに続き,カイの実装,そして大型アップデートが控えています。ぜひ期待してください。
 まずは2月22日,出港前の場所にカロックが溢れかえっていると嬉しいです(笑)。

4Gamer:
 ありがとうございました。


 昨今のオンラインRPGは,壮大な世界観やストーリー,美麗なグラフィックスでサービス開始前から高い注目を集める。しかし,そうしたリッチなコンテンツは,当然開発にもそれなりの時間が掛かるため,矢継ぎ早に新しいものを投入することは困難になる。開発チームがモタモタしているうちに,実装済みのコンテンツを遊び尽くしてしまったプレイヤーが,新コンテンツ実装前にゲームに飽きて離脱してしまうという恐さがあるのだ。
 マビノギ英雄伝の開発チームはそうならないよう,大型アップデートの開発に着手しているという。今回は具体的な内容にまで踏み込むことができなかったが,韓国では2012年夏実装とのことなので,徐々に情報が公開されていくはずだ。
 次の展開に期待しつつ,まずは2月22日実装のカロックで,遊びの幅が広がったマビノギ英雄伝を楽しんでみよう。 RMT

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