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『AION』オフラインイベント今後の展開を朴ナナさんに聞く


   エヌ・シー・ジャパンは5月23日、PC用MMORPG『タワー オブ アイオン(以下、AION)』の大型アップデート実装を記念したオフラインイベントを大阪で開催した。そのイベント終了後、アップデート2.5の解説を行ったプロダクトマネージャーの朴ナナさんに、感想や今後の展開についてお話を伺った。

――イベントが終わったばかりでお疲れのところ、お時間いただきましてありがとうございます。今日のステージで朴さんは『AION』担当とだけ紹介されていましたが、具体的に何を担当されているのか、自己紹介を兼ねて教えていただけますか。

   私は日本でのローンチからずっと『AION』ひと筋でかかわっています。今は、プロダクトマネージャーとして運営全般を統括管理する立場にあります。
――大阪での『AION』大規模イベントの開催は初めてということですが、終了した今の感想をお聞かせください。

   大阪は東京に次ぐユーザー数を抱えているエリアです。過去に何度かネットカフェでのイベントを実施しましたが、お客さんの熱意が本当にすごくて、それが忘れられず、大阪でイベントをやりたいとはずっと思っていました。

   ですから、こういったイベントを今日、大阪で行えたことには満足しています。ただ、映画館という会場は私たちも初めてで、いろいろと予想外のことが起きてしまいました。
――会場にシネコンを選ばれたキッカケは何だったのでしょう。

   アップデート2.5の特徴は、より美しく進化したグラフィックスです。あの特大スクリーンに映し出してもまったく見劣りしない、高品質な映像を素晴らしいサウンドとともに体感してもらいたくて、映画館を会場に選びました。

   もう1つの理由として『AION』を知らない人にも興味を持ってもらうために、あえてどこかのホールではなく、一般の方も出入りする場所でやりたいと、企画当初から考えていました。実は最初は、遊園地やショッピングセンターでやる計画もあったんです。

――遊園地で『AION』のイベントですか。それはまた大胆な計画でしたね。

   会場外では『AION』を知らない方にアピールし、プレイヤーの方にはイベントと施設の両方を楽しんでほしいなぁと。ただ、さまざまな条件が合わずに残念ながら実行には至りませんでした。

――映画館を会場にしたことで、今までにない難しかった点はありましたか? 本来座席がある場所に、PCを持ち込んでネット環境を整えていたわけですが。

   過去のイベントは、お客様が自由に動いて出入りできるスタイルでした。今日は映画館ですからシートは固定されています。そのため、お客様が疲れないよう発表内容をなるべくコンパクトに、3時間で終わるようにまとめる必要はありました。

――ちなみに、イベント前半はとてつもなく会場内が暑くなりましたが、空調が効かなかった理由は何でしたか?

   ワーナー・マイカル・シネマズ共通で、館内のウイルス活動を抑える“ウイルスウォッシャー”というシステムがありまして。PCからの熱気でこのシステムが働き、湿度が上がって蒸し暑くなってしまったんです。

   ステージ裏ではプレイヤーさんのブログなどをチェックしていたんですが、大阪でイベントがあってうれしい、本物の映画みたいなポスターがかっこいいという意見に続いて、「暑い!」という感想がほとんどでした(笑)。

――暑さを我慢した分、来場者だけにテンペル衣装1点プレゼントの特典があったので、そこはきっと許してもらえるのではないでしょうか(笑)。気になったのは3時間で収まる構成にしたためか、発表されたアップデート2.5の内容がすでに特設サイトで公開されている情報ばかりで、個人的には少々物足りないと感じましたが……。

   そうですね、コンテンツについては確かに発表済みの物が中心になりました。しかし、わざわざ足を運んでくださったお客様のために、何か新しい情報を出すべきだと私たちも考えて、アップデート2.6の実装時期とコミカライズの話を最新情報としました。

   UI周りの改善点など詳しい話をすべきだ、という声も内部にはありましたが、そこはお客様が直接楽しめるアトラクションに力をいれる、という結論になりました。

――ではここで改めて、朴さんからアップデート2.5の魅力をアピールしていただけますか。

   ちょっと繰り返しすぎかもしれませんが(笑)、やはりグラフィックですね。『AION』のプレイヤーは、グラフィックに魅力を感じてくださる方が多いんです。現時点でもトップクラスの美しい絵が、それを超えてさらに美しく表現できる点は喜んでいただけると思います。「今、そこまでやる必要があるの?」と言われたりもしますが、NCsoft開発陣は職人気質が強いんです。

  

――進化後のグラフィックを体感できて、なおかつスムースに遊べるのはプレイヤー全体の何割ぐらいでしょうか。

半数以上の方が特に重くもならず、目で見て違いがわかるはずです。

――先ほど朴さんがおっしゃった通り、実際、そこまでグラフィックにこだわる必要はあるとお考えですか?

   私は必要だと思います。現在の『AION』のキャッチコピーは“スタイリッシュMMORPG”であり、NCsoftもスタイリッシュという部分に非常にこだわっています。キャラの自由なカスタマイズと、美しいグラフィックスを進化させていくという方向性は、今後も続くでしょう。

   MMORPGがこれだけ市場にあふれる中で、何か他タイトルと差別化できるキャッチーなものは絶対に必要です。もちろん、システムもコンテンツもグラフィックも、すべてにおいて優れていれば言うことはありませんが。

――そういえば、サービス当初のキャッチは“完成型MMORPG”でしたね。

   完成型という言葉に自信がなくなって変えたわけではありません。オンラインゲームをよく知らない方から見れば、一体何と比べて、どこがどう完成型なのかわかりませんよね? むしろ「難しそうだ」と壁を作っていました。コアなプレイヤーにだけ目線を向けていたら、その作品はいつか終わってしまいます。

――他にはいかがでしょう。

   新インスタンスダンジョンですね。テンペル訓練所は、諸事情により長時間プレイが難しい方でもステージ単位で切り上げられます。もう1つのアラカは、種族間バランスなどの問題でアビスポイントがためにくいという悩みを解決するために、今回実装されました。

――ところで、キャラクターのカスタマイズ要素として、ちっちゃなデフォルメタイプが追加されましたよね。

   『AION』は最初からグローバル展開が決まっていたため、どちらかと言えばテイストが洋ゲー寄りでした。しかし、アジア圏ではやはりかわいらしさへの欲求が強く、今回のデフォルメキャラが実装される前からなるべく頭身を小さく、目と頭を大きくして、かわいくしようと努力してるプレイヤーが多かったんです。だったら、最初からかわいい系のパーツを入れようということになりました。

――その、大変お聞きしにくいのですが……あれは韓国ではカワイイんでしょうか?

   今までのキャラデザインとあまりに違うので、ムービーを見ると違和感がありますよね。ただ、韓国で実際にプレイヤーさんが作成したキャラを見ると、とってもカワイイんです。あのムービーに出ているキャラクターだけで判断されると困ります(笑)。

――アップデート2.5でもいくつかアバター衣装が入りますが、韓国で有名なアイドルグループ“ワンダーガールズ”の衣装と髪型など、世界観に関係ないアバターもかなり実装されています。プレイヤーからの反響はいかがでしょう。

  「なぜ、日本で知られてないアイドルの衣装を」と、反対される方もいらっしゃいます。特に弊社の『リネージュII』を体験後に『AION』を始めた方は、世界観を大切にされる傾向が強いです。ただ、実際の売れ行きは好調ですよ。

――おそらく何度もこの質問はされてると思いますが、いよいよ7月から『TERA』が動き出しますね。対策というか秘策はありますか?

   どのタイトルも当然意識はしますが、まずは相対的にも絶対的にも自社のタイトルも見直すことを常日ごろ行っていますので。そこで『AION』の強みとして挙がったのは“絆”でした。プレイヤー同士の絆、プレイヤーと運営の絆です。何と言ったらよいのか……レギオンが家族のような雰囲気で、レギオン(ギルド)単位でオフラインイベントに参加する方も多いです。この強固なコミュニティ性は『AION』の強みだと信じています。

   それと、国内でも非常に多くのオンラインゲームが存在しますが、それらが成功することこそ、国内市場を盛り上げる鍵だと考えています。

――それでは次に、7月実装予定が伝えられたアップデート2.6について、より詳しい情報を教えてください。

   今年の7月17日で『AION』は正式サービス開始2周年を迎えます。本来アップデート2.6は秋ごろの実装を予定していたのですが、記念すべき2周年に合わせて早めました。2.6ではソロプレイヤー向けに第2テンペル訓練所が導入されます。もらえる内容は第1テンペル訓練所とほぼ同じですから、誰かと組むのがあまり好きではない高レベルプレイヤーの方にお楽しみいただけます。

   また、『AION』はレベルアップが最終目標のゲームではない分、レベルが早く上がりすぎて、途中のマップ、ダンジョンを十分に堪能できないことがあります。そこで、炎の神殿とスティールクロウ号でモンスターからのドロップを、装備品ではなく箱にしました。この箱からは取得した人のクラスにあわせた必ず使えるアイテムが出るので、レベル30~40の方が楽しみながら遊べるエリアになるはずです。

――アップデート2.7とか2.8とか、今後も細かく刻んでいくのでしょうか。

   アップデート2.6は3.0へ向けて、プレイヤーを飽きさせないためのコンテンツです。あともう1回ぐらい、2.9ぐらいはあるかもしれませんね。1年に1回大型アップデートがあるよりも、数カ月おきに少しずつゲーム内に変化を起こす方が、プレイヤーさんは喜んでくれますから。

――サービス2周年のタイミングでは、また大きなイベントが行われるのでしょうか。

   派手にやりたいと思ってます。女性の私がプロダクトマネージャになったのをキッカケに、できれば女性プレイヤー限定のオフラインイベントを開催したいですね。

――女子会ですね!

   『AION』は本当の女性プレイヤーが多く、ゲーム内の活動もとても活発なんです。夏なので、ドレスコードを浴衣にしたり……。まだまだ一般的には、女性で「オンラインゲームにハマってます」というのは言いづらい風潮が強いでしょう? 特に女の子の友だちには。そこで、スタイリッシュRPGの名に相応しいオシャレな女子会、『AION』をきっかけに集まったお茶会的なイベントを企画中です。今日のようなガッツリと、PCの前でアトラクションに挑戦という内容ではなく。

――日本ではドレスを着るチャンスが少ないので、イブニングドレスで出席とかどうですかね? もちろん、貸し出しありで。

   あ、実は浴衣ではなくドレスで、素敵なレストランを会場というパターンも考えています。ゲーム仲間ではない、普通のお友だちを一緒に誘えるような内容にするつもりです。

   新規ユーザーの獲得には広告を1本出すことよりも、実は友だちからの誘いというのが非常に重要なんです。今までオンラインゲームに興味のなかった方が始めるきっかけの多くは、友だちが「これおもしろいよ、一緒に遊ぼう」という呼びかけです。そのためにも今『AION』を遊んでくれている方に満足して、誰かを誘いたくなるゲームにするべく、1回でも多く楽しいオフラインイベントを開催していきたいです。

   
――大変楽しみです。でも、取材陣は平服で許してください(笑)。それでは最後に、電撃オンラインの読者に向けて『AION』をアピールするメッセージをお願いします。

   今までMMORPGを触っていない方も、他のオンラインゲームで遊んでいる方も、満足してもらえるコンテンツだと自負しています。進化したグラフィックとともに『AION』を一度プレイしてみてください。

――ありがとうございました。

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