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「TERA」大型アップデート“統べる者,競う闘志”先行プレイレポート


   NHN Japanがサービス中のMMORPG「TERA The Exiled Realm of Arborea」は,10月19日に大型アップデート「統べる者,競う闘志」を実施する。このアップデートでは,“戦場システム”と“政治システム”という2つの新システムが登場し,エンドコンテンツ周りが大いに充実することになる。今回はアップデートの実施に先駆け,NHN Japanでその内容にいち早く触れてきたので,主な見どころなどを紹介していきたい。

2種類のゲームモードで対人戦が楽しめる「戦場システム」

   最初に紹介する“戦場システム”は,対人戦(PvP)に特化したエンドコンテンツである。従来のフィールドでも,遭遇戦としてのPvPが発生することはあったが,今回の戦場システムは,敵味方ともに戦う気がマンマンなので遠慮は不要。PvPをスポーツライクに楽しめるのが,このシステムの最大の見どころだ。

 戦場システムの人数規模は,“5対5”と“10対10”の2種類が用意されており,詳しくは後述するが,それぞれプレイスタイルが微妙に異なる。別のゲームモードだと考えたほうがいいかもしれない。

 共通のルールから見ていくと,参加できるキャラクターは“レベル57以上”が条件となる。ヴェリカやアルレマンシア,カイアトールといった大都市エリアに,受付係のNPCが用意されており,チームを編成してマッチング申請を行う。そして相手が見つかると,戦場用のインスタンスエリアへと移動する流れだ。

 ちょっと驚いたのが,ここでマッチングされる相手は,現在自分がいるサーバー「以外」から選出されるということ。もちろん,PvPのインスタンスではラグがなく快適にプレイできる。戦場専用のサーバーに転送されているのだろうか。なかなか技術的に凄いことを行っていそうだが,現在ある10サーバーから探してくるので,対戦相手に困ることはそうそうなさそうだ。


   戦場システムの報酬に関しては,チームの戦果に応じて,“武功勲章:銀”なるアイテムを獲得できる。これを集めることで,優れたPvPに優れた装備品など,さまざまなアイテムと交換できるのだ。


闘志の戦場
  5対5で戦う戦場システムは,“闘志の戦場”と名付けられている。巨大な円形闘技場のエリアで,両サイドからやってきたチームが中央で激突する形だ。敵のPCを倒すとポイントを獲得でき,15分の制限時間内に多くポイントを獲得したチームが勝利となる。あるいは,先に片方のチームが一定量のポイントに達した場合も終了となる(いわゆるコールド的なもの)。

 さっそく実際にプレイしてみたが,デスペナルティがないためか,ガンガン突っ込んで楽しめる感じだ。仮にマイキャラがやられてしまっても,ほどなく復活でき,ルールも比較的単純なので,これまでPvPをしてなかったような人でも参加しやすいコンテンツだろう。PK不可サーバーでプレイしている人に向けても,対人戦のデビュー用としてもお勧めできそうだ。

 また,今回はテストサーバー上でのプレイだったが,ラグは感じられず,“フリーターゲティングでのPvP”という基本的な部分でストレスを感じなかったのも好印象である。
名誉の戦場
  もう一方のゲームモードは,10対10でPvPを行う“名誉の戦場”である。各陣営は,5名編成によるチームを二つ合わせたものになるが,それ以外の基本的な流れは“闘志の戦場”と一緒だ。

 闘志の戦場が,相手PCを単純に倒す内容だったのに対し,名誉の戦場ではポイント獲得の方法がほかにも用意されている。マップ内の要所には“拠点”が設置されており,それらをPCが占拠することで,時間に応じてポイントが獲得できるのだ。
 なんとしても拠点を占領したいところだが,拠点はマップ内の3か所にあり,しかもマップを見てのとおり,道が大きく隔てられている。10名の戦力をどのように配分するか,采配が問われそうである。

 

 それともう一つ,このゲームモードではリーダー役のPCに限り,指揮官専用の特別なスキルが使用可能となっている。これらのスキルの使いどころも,戦局を大きく左右することになるだろう。


指揮官専用スキル
 
「ロケートスキャン」
 一定時間,敵の位置を味方に知らせる

「猛火炸裂」
 炎の玉を放ち,範囲内のキャラクター(敵味方問わず)に大ダメージを与える

「勇将の祝福」
 範囲内の味方PCに対し,最大MPの2%を毎秒回復させる(15秒間)

「勇将の守護」
 範囲内の味方PCに対し,最大HPの40%を即時に回復させる

 

ギルドが各領を統治できる「政治システム」,選抜は投票と戦闘の2形式

 
 続いて紹介するのは“政治システム”という,まったく新しいタイプのコンテンツである。ご存じのとおり,現在のTERAは,“アルン大陸,シャラ南部大陸,シャラ北部大陸”の3大陸が開放されており,それらは全部で11の“領”に細分化されている(大都市エリアを除く)。政治システムでは,これらの各領を,有力ギルドが治めることができるようになるのだ。

 
 ギルドが,どのような流れを踏まえて領を治めるのか。ざっくり説明していくと,“立候補期間(1日)”と“選挙期間(6日)”を経て領主ギルドが定められ,“統治任期(21日)”が設けられる。一つのサイクルが1か月という,なかなか壮大なコンテンツだ。

 さすがに領主だけのことはあり,立候補できる条件は高め。“レベル50以上のギルドマスター,ギルドレベルが3以上,ギルドメンバー数が20名以上”で,そのほかにヴァルキオン勲章が100個と,3000万ゴールドが必要となる。
 そして選挙を行う方法に関しては,“投票形式”と“戦場形式”の2種類があり,領によってどちらかが決まっている。

 1)投票形式
 立候補したギルドマスターは基本政策(マニフェスト)などを公開。レベル40以上のキャラクターは,全員が“投票権”を持っており,マニフェストや,普段のギルドの印象などで票を入れる,という寸法だ。投票する際にちょっとしたアイテムがもらえるので,一般プレイヤーもとりあえず参加しておいて損はないだろう。
2)戦場形式
 同じく今回のアップデートで導入された,「戦場システム」で勝敗を決する方式だ。選挙期間中に闘志/名誉の戦場で勝利すると,ポイントの獲得ができ,より高いポイントを獲得したギルドのギルドマスターが領主になれるのだ。


 続いて,領主になったメリットを見ていこう。まずは,領を統治している間,ギルドメンバーの全員が,特別な“馬”を召喚できるようになる。スクリーンショットを見てのとおり,豪華な馬具を身に着けた純白の姿をしており,非常に格好いい。

 そしてもう一つのメリットは,“政策”を設定し,領経営に参加できることだ。具体的には,例えば“税金”(消費税)を設定することで,領内のNPCショップの売上の一部が,ギルドの収益になる。また,領内には特殊な施設を設置できる。ラインナップとしては,レアアイテムが購入できる“名品館”や,特別なバフが得られる“休息の神将”,そのほかにも取引仲介所,スキル教官などなど。さらには,領内での“PK可否”も設定可能だ(PvPサーバーのみ設定可能。また,アルン大陸内は一律でPK不可)。


 施設を設置したりする際には“政策ポイント”が必要で,これは領主専用の「領主クエスト」と領主ギルド専用の「領主ギルドクエスト」をこなして溜めていくことになる。結構な量が必要になるうえ領有期をまたいだ蓄積はできないので,領主になったあとも,やることはたくさんありそうだ。そうした苦労の末に,魅力的な領に仕上げることができれば,大勢のPCが訪れ,税収入が得られることだろう。
 このように,従来のMMORPGにおける“個人”や“ギルド”より,もう一回り大きい視点でTERAに関われるのが,政治システムの魅力というわけだ。
今回の取材で体験できたコンテンツは以上である。戦場システム・政治システム共に,TERAにとっては待望のエンドコンテンツであり,熱心なプレイヤーにとって,次の大きな目標となりそうである。

 ちなみに,これらのシステムは,韓国での導入から少々時間が経っている。これはネガティブな意味ではなく,導入後に施されたバグ修正や改善項目の数々が,日本版では最初から一通り盛り込まれている,とのこと。TERAの遊び方が広がることは間違いないので,とりあえずは“闘志の戦場”のあたりから,気軽に参加してみるとよいだろう。

 個人的には,とくに“政治システム”に大きな可能性を感じる。今後,例えばインスタンスダンジョンや“カジノ”のような施設を設置するなど,統治したギルドによって領に個性が出せるようになると,訪れるプレイヤーもさらに増えるはず。そうなれば領主側のギルドにとってもモチベーションが上がるだろうし,長い目で見ると戦場システムの盛り上がりにも期待できるはず。今後,どのように育っていくのか楽しみなコンテンツだ。

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